夜尿症(おねしょ)の治し方
夜尿症の治療のお話の前に、そもそもオムツがとれる時期っていつぐらい?って思いませんか?
およそ2歳6か月~3歳6か月の間といわれています。
この時期から大きく遅れているときは排尿機能や神経発達の遅延がないかどうか、慎重に診察する必要があります。
また、夜尿症のお子さんでは
便秘の方が非常に多いことも分かっていて、とりわけ遺糞(いふん:不適切な状況で排便してしまう)は重症の夜尿症の危険因子とされています。
なので、便秘治療を行うと一定の患者さんは夜尿が改善するという報告もあるくらいなので、夜尿と便秘は強い関連性があるようだといわれています。
生活指導と行動療法
さて、夜尿症の治療ですが、5~6歳の未就学児の夜尿症患者は自然治癒率が高いこともあり原則的に
積極的な治療(後述する薬物治療やアラーム治療)は行わず、
生活指導と行動療法で経過をみる
ことになります。
水分摂取の日中の目安は朝食、昼食時に各々水分300ml~350ml水分摂取、午後からは水分を控える。
夕食はできるだけ就寝3時間前には済ませ、夕食後は200ml以内の水分摂取にとどめるようにすること。
一般的に子どもの1日飲水量については4~8歳児:1000~1400ml(男女)、9~13歳児:女1200~2100ml、男児1400~2300ml、14~18歳児:女児1400~2500ml、男児:2100~3200mlとなってます。これはあくまで参考です。
また、過剰な塩分の多い食品を控え、夕方以降糖分の多い飲料、アイスクリーム、牛乳、フルーツは制限(これらも塩分同様尿量を増加させるため)するのがよいでしょう。
お父さん、お母さんの中には「おねしょ」する前に夜中に子どもを起こして排尿させて未然に防止するようなことをしている方もいらっしゃるかと思います。
一見よさそうに見えますがこのようなことを習慣的に行うと、子どもの睡眠のリズムを乱し、逆に抗利尿ホルモン(脳からでる尿量を減らしてくれるホルモン)が減少し、寝ている間に尿量が増えて夜尿がひどくなってしまいます。
就寝前にトイレにいき排尿して膀胱内を空にしておくことも大切でです。
そのほか便秘対策も大切なことは前述のとおりです。
一方で治療中の子をもつ親に対しては、まず、夜尿の治癒に向けて焦らないことが重要です。
また、夜尿することで子供を叱らないことですね。
叱っても何も解決しないのです。
むしろ、夜尿をしなかった日を誉めてあげるのがいいでしょう。
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